松坂、高ぶる MLB日本開幕戦長男誕生、凱旋先発【フォートマイヤーズ(米フロリダ州)=下村征太郎】今月25、26日に東京ドームで行われる「’08リコーMLB開幕戦」(読売新聞社など主催)で開幕投手に指名された米大リーグ、レッドソックスの松坂が17日、喜びを語った。 エースのベケットが腰痛で、昨年の開幕投手シリングは右肩痛で前半戦絶望となったために巡ってきた大役だ。日本人として2004年の野茂英雄(当時ドジャース)以来4年ぶりとなる名誉に、大リーグ挑戦2年目の右腕は日本での凱旋(がいせん)登板を楽しみに待つ。 「子供も無事に生まれ、開幕も任せられることになって、光栄なことと思います。日本に凱旋しての開幕戦なので」。松坂は二重の喜びに浸りながら心境を語った。 ベケット、シリングの欠場もあり「自分の実力で勝ち取ったものではないけれど、本当についているなと思います。投げられることは本当によかったと思います」。開幕マウンドはエースが踏むものと考えている松坂。だから「本来、僕が立っているマウンドではない」という気持ちもある。しかし、シーズンの先陣を切る以上、気持ちは自然と高ぶる。「この1年間、こういう姿勢で戦っていくんだということを見せないといけない」。連覇を目指すチームの心意気を代表して示すつもりだ。 妻の出産などのために戻っていたボストンから3日ぶりにキャンプ地に帰ってきた17日、松坂はさっそくブルペンに入った。ファレル投手コーチが見守る中、ゆっくりと体の動きを確認するように58球を投げた。開幕前、最後の登板は19日のブルージェイズ戦だ。「調整は今まで通り。しっかりと開幕戦に向けた準備が出来たらいいなと思います」と、晴れやかな顔で話した。 レッドソックス・フランコナ監督「(出産という)不確定要素はあったが、松坂は日本で投げる準備は出来ている。日本での開幕戦で投げることに松坂は興奮し、光栄なことと思っているだろう」 予定日より早く出産「巡り合わせというか、運命」野球人としての松坂を支える家族の強い気持ちが、日本での開幕投手を実現させた。日米の時差はあるが、倫世夫人の出産予定日は開幕戦と同じ3月25日。日本で投げたい気持ちはあったが、出産の立ち会いを優先すると決めていた松坂は、アメリカに残るつもりでいた。 だが、倫世さんは当初から夫に日本行きを勧めていた。「妻は『日本に行ってほしい』、僕は『残りたい』と、話は平行線をたどっていた」。開幕投手が決まった松坂は明かした。 ベケットの参加が困難となって再び、妻と話し合いを持つなかで、松坂は「僕が東京に行くことによって家族(の気持ち)が楽になるのであれば、そっちを選ぶ」と決断。フランコナ監督に意思を伝えた。監督は松坂に「大事な話は家族に会って決めてこい。東京に行くことになれば開幕は任せる」と指示。話し合いのため、14日の試合後、ボストンに戻った。 第2子が元気に誕生したのは翌15日の朝。予定日よりも10日早かった。「巡り合わせというか、運命というか。親孝行ですよね」。開幕投手を実現させてくれた倫世さん、長女、そして新たに家族の一員となった長男のために、松坂はウイニングボールを持って帰るつもりだ。(下村征太郎) レスターは第2戦で第2戦の先発に決まったレッドソックスのレスターは「日本はとても遠い国。球場やマウンドのことは何も知らないけれど、いつも通りに投げるだけ」と話した。24歳の左腕は2006年6月にメジャーにデビューし、8月までに7勝を挙げたが、悪性リンパ腫(しゅ)と診断され治療に専念していた。病気が完治して昨季途中にメジャー再昇格。レギュラーシーズンとワールドシリーズで計5勝を挙げた不屈の魂で日本のマウンドに立つ。(下村征太郎) (2008年3月18日 読売新聞)
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