「野茂さん、超えてない」

１７勝の松坂　納得の投球少なく

レッドソックス　１３―５　レイズ

　並んでいた野茂の年間最多勝利数を抜き去った松坂。ただ、その感想を問われると、少し考えた。「野茂さん以上の勝ち星を挙げたけど、それは数字上で超えただけで、野茂さんを超えたことにはならない」。その表情から、達成感は伝わってこなかった。

　首位レイズとの３連戦の大事な初戦。だが、序盤から制球が定まらず、球数が増えて五回までで降板。１失点ながら、大量得点したチームに「勝たせてもらった感じ」と、自分の投球には不満をあらわにした。

　今季は登板した試合のうち、半数近くで６イニングを投げ切れていない。積み重ねた白星にも、「長い回を投げたい」と言い続ける松坂にとっては、納得できる投球は少ないのだろう。

　大リーグで活躍する野茂の姿を中学時代に見て、メジャーへのあこがれを抱いた、と話していた松坂。くしくも、その野茂が引退した年に、最多勝記録を塗り替えた。

　「本当の意味で、野茂さんを超えられるように頑張っていきたい」

　地区優勝争い、そしてプレーオフ進出へ。「平成の怪物」には、まだ課題を解消できるマウンドが残っている。（セントピーターズバーグ、本田祐介）