シリア大統領、私的メール３千通以上が流出

 中東

　【ロンドン＝佐藤昌宏】１５日付の英紙ガーディアンは、シリアの反体制派組織「シリア国民評議会」が入手した、アサド大統領の私用電子メールの内容を報じた。

　その中で、大統領が反体制派への対処を巡り、友好国イランから「助言」を受けていたことがわかった。

　このうち、昨年１２月に大統領が内外向けの演説を行う直前、側近が駐シリアのイラン大使顧問からの助言をメールで大統領に伝えた。同顧問は、「（演説では）力強く乱暴な言葉を使い、（イランなど）友好国の支持にも感謝を示した方が良い」と述べ、大統領が強硬姿勢を崩さず、シリアが国際的に孤立していないことを示すよう提案した。

　また、同顧問は、反体制派の士気を低下させるため、シリア軍の戦力の強大ぶりを誇示するよう指南した。

　大統領のメールアドレスは家族や一部の側近しか知らないとされる。

　流出したメールは、昨年６月〜今年２月初旬の３０００通以上で、大統領夫妻がオンラインでパリの宝石店から装飾品を買ったり、昨年１１月にはｉＴｕｎｅｓ（アイチューンズ）でハリー・ポッターの映画を買ったことを示す記述もあったという。

　同紙は「メールは本物だとの確証がある」としている。