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タケノコと鶏団子の煮物 取れたて ヘルシーに

撮影・工藤菜穂

 春になると必ず食べたくなるタケノコ。おいしいだけでなく、低カロリーで食物繊維も豊富だ。この欄に初登場の料理研究家今泉久美さんは、ヘルシーな料理を得意にしている。

 紹介してくれたのは「タケノコと鶏団子の煮物」。旬の味を堪能しよう。(生活情報部 宮木優美)

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 水煮のタケノコは一年中手に入るが、この時期はぜひ取れたてを調理したい。「旬の風味を楽しめるのは今だけですから」と、今泉さんは話す。収穫から時間がたつほど、えぐみが増すので、手に入れたら、すぐにゆで始める。時折、鍋に水を足しながらじっくりと。「長めにゆでた方が、えぐみが抜けておいしいですよ」

 次に、ゆでたタケノコを煮るが、穂先と根元側で硬さが違うので、切り方も変える。根元側は、すじを断つように輪切りにしてからイチョウ切りにするといい。

 丁寧に煮たタケノコを食べてみた。歯ごたえがしっかりしているし、煮汁も染みこんでいる。タケノコと組み合わせた鶏団子はみそ味。しょうゆの代わりに、うま味の強いみそを使ったことで減塩効果もある。ショウガの風味も効いている。

 今泉さんによると、この煮物のエネルギー(1人分)は、190キロ・カロリー。ご飯のおかずにしても、食べ過ぎを心配しなくてよさそうだ。さらにヘルシーにしたければ、鶏肉は、胸のひき肉を使えばいい。鶏団子の代わりに、サワラを使うアイデアも。

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 ところで、ゆでたタケノコは皮をむき、水に浸して冷蔵庫に入れる。毎日水を替えれば、3〜4日は保存がきく。

 今泉さんは毎年、少し多めにゆでておく。いため煮にしたり、カツオ節と煮たり。来客があれば、タイやアサリと組み合わせて混ぜご飯にすることも。「数日間かけて、いろいろなタケノコ料理を楽しめますよ」

■材料=2人分

《1》
《3》

 タケノコ1本(ゆでた後、煮物に150g使う)/鶏ひき肉150g/キヌサヤ30g/ショウガ搾り汁

■作り方

 《》皮が付いたままのタケノコの穂先を斜めに切り落とし、縦に深さ2〜3cmの切れ目を入れる。鍋に入れ、かぶるくらいの水、米ぬか、赤唐辛子と一緒に火にかけ、落とし蓋をして1時間半〜2時間ゆでる。鍋のまま冷ます。

 《》ゆでたタケノコは皮をむいてさっと洗い、150g使う。穂先側はくし形の食べやすい大きさに切る。根元側は1cm厚さのイチョウ切りにし、厚みの半分のところに隠し包丁(切れ目)を入れる。

 《》ボウルに鶏ひき肉と、みそ、みりん、ショウガ搾り汁、片栗粉各小さじ1杯を混ぜる。

 《》小鍋に、だし1カップ、薄口しょうゆ、酒各大さじ1杯、砂糖同1/2杯を入れて火にかける。〈3〉を6等分し、スプーンで団子に丸めながら入れる。煮立ったらアクを取り、蓋をして弱火で5分ほど煮る。

 《》〈4〉の鍋から鶏団子を取り出す。残った煮汁に〈2〉のタケノコを入れ、煮立ったら蓋をし弱火で8〜10分煮る。

 《》キヌサヤはへたと筋を取って塩ゆでし冷水に取る。

 《》〈5〉のタケノコを取り出す。鶏団子が冷めていたら、再び煮て温め、取り出す。最後にキヌサヤもさっと煮る。一緒に盛る。

旬のウドでもう1品

 タケノコ料理のほかに、春の食材を使ってもう1品ヘルシーな料理を作るなら、「ウドとワカメとシラスの酢の物」=写真右=を。

 ウドの皮を厚くむいて薄切りにし、酢水にさらす。ワカメは筋を除いて食べやすく切る。ウドとワカメにシラスを加え、酢、だし、薄口しょうゆ、砂糖であえる。

 ウドのシャキシャキとした食感と酸味が食欲をそそる。酒の(さかな)にもよさそう。

今泉久美さん(料理研究家)

 今泉さんは、1963年、山梨県生まれ。女子栄養大学卒。料理研究家として、テレビ番組や雑誌で活躍する傍ら、同大学栄養クリニック「ヘルシーダイエットコース」の料理指導も行っている。

 野菜がたっぷりで、栄養バランスのよい料理を次々と紹介している。著書に「1日1500kcalのらくらくダイエットごはん」(成美堂出版)など。

2012年4月28日  読売新聞)
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