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陸自日誌

(13)予備自衛官の心意気

◆4月25日(月)


 本日は、新たに招集された即応予備自衛官の教育のため、青森県の八戸駐屯地へ行きました。38連隊長の話では、彼らは社会経験が豊富で、部外者への対応などで重宝しているとのことです。

 ただ、予備自衛官の訓練は防衛出動を想定したものなので、今後、災害派遣にも招集するなら、重機や車両、野外炊事セットの操縦方法などの訓練も考える必要があります。

 予備自衛官5人とも話しました。中小企業では社員が1人欠けるだけでも影響が大きく、5人のうち2人は自分で切り出せず、自衛隊の地方協力本部から会社に説明してもらったそうです。北沢防衛相が送った会社宛てのメッセージが大変効いたとか。社長が意気に感じて、張り切って送り出してくれたそうです。

 被災地の即応予備自衛官の中には、自分が被害を受けたからこそ、あえて招集に応じたという人もいます。宮城県亘理町では、自宅を流されながらも「津波から逃げる途中、なんとか3人を助けたが、もっと助けられずに悔しかった」との思いから活動している人もいます。避難所で、奥さんが迷彩服を洗濯してくれているとのことでした。

◆4月26日(火)

 本日は、岩手県の山田町、大槌町、釜石市などを視察しました。どの地域もがれきが一定の区画に寄せられるなど、「自衛隊の手が入った」ことがわかります。まだ行方不明者が多い所もありますが、共通するのは、自衛隊による人力主体の捜索は終わったということです。今後は重機主体の捜索(がれき除去作業)への転換となり、そろそろ態勢移行が必要な時期となってきました。

 陸自の部隊は住民に近い所にいます。近所の子供の間では「お気に入り」の隊員がいたりして、「おじさん、きょうは何するの?」と聞かれて答えないわけにいきません。市町村の中には「捜索活動の終了」への不安を伝えてきている所もあります。態勢移行をしても、必要な支援は引き続き行う、としっかり説明することが大切です。〈陸上自衛隊東北方面総監部の須藤彰政策補佐官の日誌から抜粋しています〉
(2011年6月10日読売新聞掲載)

 ◇須藤 彰(すどう・あきら) 1998年東大文卒。防衛庁(現防衛省)入庁、英ケンブリッジ大国際政治学部修士修了、運用支援課部員、陸上自衛隊東北方面総監部政策補佐官。東京都出身。

 【関連記事】被災地で自衛隊の人たちは何を食べていたのですか?

2011年6月28日  読売新聞)


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