福見、西田 決勝に進出…柔道GSパリ
【パリ=下山博之】柔道のグランドスラム(GS)・パリ大会が4日開幕し、第1日は男女7階級が行われた。女子は、48キロ級で世界ランク2位の福見友子(了徳寺学園職)と、52キロ級で同1位の西田優香(同)が決勝進出を決めた。
57キロ級の佐藤愛子(同)、63キロ級の田中美衣(同)も4強入り。同級の阿部香菜(三井住友海上)は準々決勝で敗れて5位。
男子は、60キロ級の川端龍(国士大)、73キロ級の大野将平(天理大)とも、4回戦で敗れた。
五輪へ正念場
世界ランク1、2位を日本勢が占める女子軽量級の代表争いが佳境を迎えた。48キロ級は福見が世界選手権2連覇の浅見八瑠奈(コマツ)を追い、52キロ級は西田が選考で優位に立つ世界女王の中村美里(三井住友海上)に食らい付く。ライバル不在の今大会は、追いかける2人にとって負けが許されない大会となった。
福見は1月の世界マスターズ決勝で、直接対決で連敗していた浅見を僅差で破り、一矢報いた。「ようやく光が差してきた」と喜んだが、左膝を痛めていた相手から技でポイントを奪えなかった。全日本女子の園田隆二監督は「まだ浅見にアドバンテージがある」とし、ライバルとの差を覆すほどの快勝ではなかった。浅見の負傷で、2人の再戦は五輪最終選考会の全日本選抜体重別(5月・福岡)まで持ち越された。外国勢との対戦の中で福見は、「自分のできることをやるしかない」と、土壇場でも必死に前を向いている。
西田はマスターズ決勝で中村に一本勝ちして世界ランク1位を守ったが、今大会を<追試>として課された。勝ち上がる過程で手こずった場面が不安視され、この日も3回戦は判定で勝利を拾った。園田監督は「課題は精神面。もう一度、外国勢への強さを見たい」という懐疑的な目を向ける。前回の北京五輪代表争いでは年下の中村に敗れ、「あの悔しさを味わいたくない」と雪辱を期す。代表切符をつかむためには周囲を納得させる強さを見せるしかない。(下山博之)
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