穴の階級、五輪に光…女子70キロ級、田知本遥が優勝
【パリ=下山博之】5日に行われた柔道のグランドスラム(GS)パリ大会女子70キロ級決勝で、21歳の
軽量級の強さが突出する日本女子だが、泣き所の階級に新星が台頭したことで、ロンドン五輪でのメダル量産の期待がまた膨らんだ。
「70キロ級は世界との距離が一番遠い。柱を作らないといけない」。北京五輪後に就任した園田隆二監督の口癖だった。2009年3月にアテネ、北京両五輪でこの階級を連覇した上野雅恵(現・三井住友海上コーチ)が引退。以降3回の世界選手権で、日本勢は国原頼子(自衛隊)らの3位が最高で、全7階級で唯一、決勝にすら進めなかった。
好転の兆しが見えたのは昨夏の世界選手権。初出場の田知本は、団体戦で当たったドコスと中盤まで接戦を演じて惜敗したが、園田監督は「簡単に投げられなかった。勝てる可能性はある」と感じた。帰国後は大内刈りなどの足技が得意な田知本に、組み手を教え込んだ。相手をがっちり捕まえ、技を出させない形を身に着けると、相手に指導が出やすくなって試合を優位に運べるようになった。ドコスに初勝利を挙げた田知本は、「成長した部分を出せた」と満足そうだった。
「お金をかけて強化させてもらう以上、全階級で金を目指す。下の階級で確実に取って、上でどれだけ勝負できるか」。園田監督は五輪まで半年を切り、GSパリの成果に大きな手応えをつかんでいる。
だまされ続け、塚田先輩追い
闘争心むき出しで優勝を手にした21歳だが、田知本遥は、好きで始めた柔道ではない、という。
富山県射水市出身。小学校入学の時、元柔道選手の父、
それでも高校時代から国際大会で成績を残して名門の東海大に進んだ。
姉の後を追ったわけではない。高3の時、北京五輪同級決勝で、東海大出身の塚田真希さんが中国の
(●はニンベンに冬)
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