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『怪物はささやく』 パトリック・ネス著

横山達也(よこやま・たつや)ヨミウリ・ジュニアプレス記者 高2

少年の揺れ動く心伝わる

 13(さい)の少年コナーは、両親が離婚(りこん)し、闘病中(とうびょうちゅう)の母と二人()らしをしています。周りからかわいそうだと思われている反面、いじめっ子たちの標的(ひょうてき)にもなっています。

 ある夜、コナーの前に怪物が現れます。イチイの木の姿(すがた)をしていて、「わたしが三つの物語を語り終えたら、おまえが四つめの物語をわたしに話すのだ」と言います。

 心に残ったのは、「第二の物語」。コナーは怪物が語る150年前の世界に入り()んで破壊行為(はかいこうい)をした後、祖母の家で居間(いま)のソファや本棚(ほんだな)をめちゃくちゃにしたことに気づきます。読んで、母親の病や友人関係で()れ動く主人公の苦しみが伝わってきました。そして「第四の物語」とは何なのか、目が(はな)せない作品でした。(シヴォーン・ダウド原案、池田真紀子・(やく)、あすなろ書房(しょぼう)、1600円)

2012年1月11日  読売新聞)

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