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体操・世界選手権、日本男子五輪切符

 体操・世界選手権第4日(10日・東京体育館)――男子予選後半が行われ、前半で暫定首位だった日本のトップ通過が決まった。2位は米国。団体総合5連覇を目指す中国は、得意のつり輪や鉄棒で得点を伸ばせず3位。

 日本は、上位8チームに与えられるロンドン五輪出場権を獲得し、12日の団体総合決勝に進んだ。

 個人総合予選は、前日暫定首位の内村航平(コナミ)がトップ通過。山室光史(同)も4位で初めて予選を突破した。種目別は、内村がゆか、あん馬で5位、つり輪8位、平行棒4位、鉄棒2位で、5種目で決勝進出。山室はつり輪3位、沖口誠(同)は跳馬2位、田中和仁(徳洲会ク)は平行棒7位、田中佑典(順大)は鉄棒1位でそれぞれ決勝に進んだ。予選の得点は、いずれの種目も決勝に持ち越さない。

 日本のライバル中国が、予選3位にとどまった。鉄棒の北京五輪王者の鄒凱、前回優勝の張成龍の二枚看板が、高難度の技を実施しながら、美しさに欠けると評価され、相次いで得点を伸ばせない。首位通過の日本から大きく出遅れる要因となった。

 日本の冨田洋之コーチが「特に鉄棒は厳しく採点されている傾向がある」と指摘した通り、技の出来栄えを満点の10点から減点して審査するE得点は、日本が5人中4人が8点台を並べたのに対し、中国は5人中4人が7点台。美しく正確な演技を武器とする日本の強みが生きた形となった。

 ただ、各種目で6人中5人が演技し上位4人の得点を加算する予選から、決勝は6人中3人が演技し、全得点が加算される採点方式に変わる。技の難易度を示すD得点で、予選の各種目上位3人を合計すると、中国の得点が上回るだけに、予選のように日本にミスが出れば難度で勝る中国に逆転される可能性は十分ある。

 北京五輪つり輪王者の陳一氷は「決勝はもっと難しい技をやるよ」と不敵に笑う。日本の立花泰則監督が「自分たちの演技に集中するだけ」と言うように、ミスを出さないことが33年ぶりの王座奪還の前提になる。(増田剛士)

塚原の願いかなわず

 男子団体で五輪初出場を狙った豪州は18位。9〜16位が出場できる来年1月の最終予選(ロンドン)の出場を逃した。アテネ五輪団体総合金メダリストで、豪州国籍取得申請中の塚原直也(朝日生命)は「16位までに入ってくれればと思っていたが、厳しかった」。客席で祈るような表情で見守ったが、願いはかなわなかった。この順位でも最終予選は、個人で各国・地域2人が出場できる。ただ、五輪出場権を獲得するには個人総合優勝が条件。ますます厳しい道のりとなった。

 
【男子】▽個人総合予選 〈1〉内村航平(コナミ)92・256点(ゆか15・466、あん馬15・433、つり輪15・233、跳馬15・200、平行棒15・391、鉄棒15・533)〈2〉オロスコ(米国)90・532(14・300、15・000、15・033、15・900、15・033、15・266)〈3〉レイバ(米国)89・848(14・800、14・633、14・483、16・100、15・366、14・466)〈4〉山室光史(コナミ)89・765(14・533、14・700、15・533、16・400、14・066、14・533)(日本は内村、山室が決勝出場)
【男子】▽団体総合予選 〈1〉日本(内村、山室、小林、田中和、田中佑、沖口)364・291点(ゆか58・581、あん馬59・866、つり輪60・957、跳馬63・932、平行棒60・489、鉄棒60・466)=決勝へ〈2〉米国361・583(60・499、58・299、59・448、64・316、59・923、59・098)〈3〉中国359・126(59・349、57・199、58・532、64・299、61・249、58・498)

2011年10月11日  読売新聞)

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