初参戦の内村V…体操男子W杯
体操・ワールドカップ(W杯)個人総合東京大会最終日(27日・両国国技館)――年間4大会のシリーズ最終戦の男子は、初参戦した世界選手権3連覇の内村航平(コナミ)が、6種目の合計93・565点で初優勝した。
第3戦優勝の野々村笙吾(千葉・市船橋高)は、89・297点で4位。世界選手権銀メダルのフィリップ・ボイ(独)が2位。同選手権4位のダニエル・パービス(英)が3位に入り、初代年間王者となった。
「次のエース」野々村4位
高校3年の野々村が、少しうらやましそうに表彰台中央の内村を眺めた。あん馬の落下がなければ、獲得できた銀メダルに思いをはせ、「1種目も失敗しないようにしたい」と誓った。
高校総体と全日本ジュニア選手権を制した野々村は、内村が「次世代のエース」と名指しする逸材。その前で、内村は、お手本のように美しい演技をミスなくやってのけた。野々村は、つり輪で最高点を出すなど健闘したが、1点減点となる落下によるミスは、挽回できなかった。「トップでやるためには、ミスなく美しくやらないといけないということを教えられたと思う」と内村は言い、野々村は「演技に余裕があるから失敗しない。見習いたい」と脱帽した。
内村が元世界王者の冨田洋之の背中を追いかけ、超えていったように、体操ニッポンのエースの座は、人一倍の意欲と練習量によってのみ継承されていく。「今のままじゃ代表入りは難しい。冬の間に技の難度を上げたい」と野々村。来春のロンドン五輪代表選考会で一皮むけた姿が見たい。(増田剛士)
(2011年11月28日 読売新聞)
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