現在位置は です

本文です

日本、シリアに苦杯…五輪最終予選

2位転落、永井同点弾実らず

▽アンマン
シリア
2 1-1 1日本
1-0
【得点】(シ)オウンゴール(19分)、サリハ(90分)
(日)永井(46分+)
【交代】(日)大迫(鹿島)=18分山崎、扇原(C大阪)=75分山村
シリアに敗れ、がっくりの(中央右から)扇原〈3〉、山田直、浜田、鈴木大〈13〉ら日本代表(5日、アンマンで)=冨田大介撮影

 【アンマン=畔川吉永】サッカーのロンドン五輪男子アジア最終予選は5日、第4節が各地で行われ、C組のU―23(23歳以下)日本代表はシリアに1―2で敗れた。3勝1敗でシリアに勝ち点と得失点差で並ばれ、総得点で2位に後退した。試合は、シリア国内の政情不安によりヨルダンで開催。19分にFKから失点した日本は、前半ロスタイムに速攻から永井が同点としたが、90分にミドルシュートを決められた。日本は22日にアウェーでマレーシアと、3月14日の最終戦ではホームでバーレーンと対戦する。

 最終予選ではA〜C組の1位が出場権を獲得。2位は3月にベトナムで行われるプレーオフに回り、アフリカ・セネガルとの大陸間プレーオフ進出をかけて戦う。

 日本・関塚監督「まだシリアに(1位突破が)決まったわけではない。一戦一戦戦い続けることが大事だ。アウェーの試合でも、たくましく戦うことが出来るようにしたい」

 権田「(2失点し)本当に申し訳ない。自分の仕事が出来なかった。やってはいけないミスだったが、下ばかり向いていてもチームのためにならないので、また支えられるように……」

 山崎が負傷交代 15分に相手と競り合った際に左ひじを負傷。ジャンプした後の着地で左腕を突いて痛め、救急車で病院へ運ばれた。

追加点奪えず、悔やむ

 日本のゴールは、最終予選4試合目で初先発した永井が決めた。前半ロスタイム、大迫からの縦パスに快足を飛ばして追いつき、右足で丁寧に流し込んだ。スピードといい、シュートのうまさといい、本領を発揮しての同点ゴールだったが、「(追加点を)決められなかった。お互い点を取りに行って、最後に(勝ち越しの)スーパーゴールを決められた」と、悔やむばかりだった。

「アウェー」恐れ、受け身の戦いに

前半ロスタイム、同点のシュートを決める永井〈11〉(5日、アンマンで)=冨田大介撮影

 ドローで何とかしのぎかけた試合終了間際、日本は一気に暗転した。シリアにCKからつながれると、最後は豪快ミドルシュートでゴールを破られた。

 FWスマの個人技や、スピードある両サイドが際立つシリアの攻撃に圧倒され、日本は多くの時間帯で押し込まれた。だが、苦戦の原因は、むしろ過剰に相手やアウェーでの戦いを意識した日本の及び腰にもあったかもしれない。

 せっかく中盤でボールを奪っても、遠くに蹴ってしまう場面が目立った。ダブルボランチの山村、山口も最終ラインに吸収されてのプレーが多かった。4か月ぶりにチームに復帰した山村は「つないでいこうと思ったが、いつの間にか受け身になった」と振り返り、最終ラインの浜田は「安全にやる時間が少し長すぎた。途中から(ボールを)つなぐことが出来るのが分かった」と悔やんだ。

 攻撃の中心として期待されたMF清武(C大阪)が負傷離脱するなどの誤算もあった。攻撃が手薄になるという危機感が、選手に後ろ向きな戦い方を選ばせてしまったのだろうか。

 引き分けでも本戦出場に大きく前進するはずだったが、自力での1位突破が消滅した。だが予選突破の可能性は十分残っている。まずは今回の戦いをしっかりと振り返って、次の一戦に生かすことだ。(畔川吉永)

2012年2月6日  読売新聞)

 ピックアップ

トップ


現在位置は です