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巨大な“下町商店街”「東京ソラマチ」を歩く

東京ソラマチの東側入り口

 東京スカイツリー(東京都墨田区押上)の足元にある商業施設「東京ソラマチ」が18日、報道陣にお披露目された。ソラマチは、日本の職人芸を今に伝えるおみやげ物店や、間近にそびえるツリーの眺望を楽しみながら食事やお酒を楽しめる飲食店など、312店舗が入居する巨大商業施設。22日の開業に先立ち、東京の新名所を一足早く歩いてみた。

■温故創新

江戸切り子が使われたソラマチ商店街の行灯風表示
ギフトをテーマにした「サマンサタバサ」の新ショップ

 「押上駅」(都営浅草線など)と「とうきょうスカイツリー駅」(東武スカイツリーライン)に挟まれた東西約400メートル、広さ約3・7ヘクタールの東京スカイツリータウン内に完成したソラマチ。押上駅から地上に出て、東側から建物内に入ると、そこは長さ約120メートルのソラマチ商店街入り口。両側に35店舗が並び、天井は切り妻屋根のデザイン、店名の入った行灯(あんどん)風の表示には江戸切り子の装飾が施されている。

 ソラマチのコンセプトは「新・下町流」。江戸時代以降、職人を輩出し続け、風光明媚(めいび)なリゾート地でもあった向島周辺の伝統を受け継ぎ、新しい文化や情報を発信する「温故創新」を目指している。京都の老舗織物店が展開する鮮やかなデザインのガーゼ手ぬぐいを扱う「わけあって日本」、墨田区内で一貫生産を行う靴専門店「スコッチグレイン」など、物作りの伝統を受け継ぐ店が目立つ。

 一方、若い女性に人気のファッションブランド「サマンサタバサ」が新しい発想でもうけたギフトショップも。木目調の店内に若い女性店員がひしめき、お皿や文具、スイーツが並ぶ。ピンク色がまぶしく、おじさんには入りにくい風情だが、「ツリーに行った思い出を記憶にとどめ、友達と共有することのできる商品です」と同社の河田麻実さん。

本物そっくりの食品サンプルが並ぶ「元祖食品サンプル屋」

 外国人観光客が喜ぶそうなのが、「ジャパンスーベニア」と名付けられた東側4階のゾーン。元祖食品サンプル屋には、本物そっくりの「パフェ」や「スパゲティ」が並び、見ているだけで楽しくなる。この一角は、江戸の商家「大店(おおだな)」をイメージし、木の柱や梁(はり)を張り巡らせたデザインで統一されている。

■47店が限定商品

 素材にこだわった箸を提供する銀座夏野のツリーを形取った「東京スカイツリー箸」は一膳(ぜん)840円。香と和文具で知られる鳩居堂の直営店では、ツリーをイメージした香「空の木」(630円)を限定販売。こうしたソラマチでしか買えない限定商品は、ソラマチ内の47店で扱っている。

 墨田の産業や歴史、文化を紹介する「産業観光プラザ すみだ まち処(どころ)」と同じ5階にもうけられた食品卸大手「国分」のオフィシャルショップには、全国から集めたしょうゆや駅弁、各地の名水を使った酒、形も大きさも様々な「かりんとう100選」が展示されている。

■期待の「食」

全国100種類のかりんとうを集めた国分のオフィシャルショップ
各国のビールを集めた世界のビール博物館。ツリーの高さにあやかり、634本のセットを63万4000円で毎月届ける商品も

 もちろん、「食」は充実している。地上150メートルの高さから間近でツリーの絶景を楽しめる東側30、31階の「ソラマチダイニング」には11店舗が入る。正面のツリーを見ながらシャンパンやフレンチを楽しむ「TOP of TREE」。30階で、氷点下のスーパードライを提供するアサヒビール直営店「BEER&PUB SUPER“DRY”」では、地ビール・隅田川スペシャル「下町ブラウン」(680円)を限定販売する。

 東側6、7階にはカジュアルな飲食店。つけめん人気店「六厘舎 TOKYO」(6階)や、都内初出店となる北海道の「回転寿し トリトン」(同)、寄席も楽しめる「江戸味楽茶屋 そらまち亭」(7階)などでは、気軽に食事を楽しめる。150種類を超す各国のビールが楽しめるのが「世界のビール博物館」(同)。開放感いっぱいのテラスは気持ちいい。

 さらに手軽に食事が楽しめるのが西側3階のフードコート。ラーメン「一風堂」の新ブランド「IPPUDO NOODLE EXPRESS」や「宮武讃岐うどん」といった人気店も出店している。

■「大学」や「市場」も

原発内の作業用に千葉工業大学が開発したロボット

 事故が起きた福島第一原子力発電所に投入されたロボットを開発した千葉工業大学は8階に研究成果を一般の人に見てもらうスペース「東京スカイツリータウンキャンパス」を設けた。放射能で汚染された原発内で稼働できるロボットの動きを間近に見ることができ、火星探査船の操縦シミュレーターも置かれている。

 地元の人が重宝しそうなのが西側2階の「フードマルシェ」。生鮮食料品から総菜、和洋のスイーツまで。「御用邸チーズケーキ」で知られ、栃木・那須から都内初出店する「チーズガーデン」や、ショッピングセンターには初出店となる和菓子「岡埜栄泉総本家」も、人気を集めそうだ。

■とにかく広い

地元住民の食卓に生鮮食料品も提供する西側2階のフードマルシェ

 312店舗の内訳は物販が127店、食品販売90店、飲食店77店、サービス業18店。書店やコンビニもあり、たいていのものはここで買える。営業時間は物販が10〜21時、飲食店が11〜23時。これまでと異なる業態での出店が88店舗、都内初出店が17店舗になる。

 午前9時から午後1時過ぎまで、半日かけて大急ぎで歩き回ったが、総床面積約5万2000平方メートル。何しろ広い。事前によく調べて行かないと、見落としてしまう店がでるのは必至だ。問い合わせは東京ソラマチコールセンター0570・55・0102(10時〜21時、年中無休。PHSや一部のIP電話、国際電話の方は043・289・1230)へ。

 (写真と文 メディア戦略局編集部・小坂剛)

2012年5月18日  読売新聞)

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