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子ども

登園拒否 疲れのサイン

楽しい毎日…突然「行きたくない」

 保育園や幼稚園に楽しく通っていたはずの子どもが、突然「行きたくない」と登園を渋る――。特にこの季節は大型連休が引き金となったり、新生活の疲れが出たりして登園を嫌がる子どもが少なくない。そんな時、親はどう対応すればいいのだろう。

 神奈川県内の女性会社員(30)は5月上旬、保育園児の長女(2)に突然、「保育園イヤ。行かない」と言われて戸惑った。熱はなく食欲もある。「前日まで普通だったので驚いた。理由を聞いてもよくわからなかった」と女性。

 叱ったり励ましたりしながら保育園に行ったが、部屋の前で床に突っ伏し「ママ、抱っこー」と泣いた。「数日でおさまりましたが、私自身もイライラしたり、子どもがかわいそうに思えたりしてつらかった」と女性は話す。

 東京都内のある私立幼稚園ではこの大型連休後、3歳児の約1割が登園を嫌がっている様子だったという。園長は「毎年見られ、特別なことではありません」と話す。

 * 連休明けに

 保育園や幼稚園の生活になじんだように見えた子どもが突如、通園を嫌がる例は珍しくない。特に大型連休明けは、ずっと一緒だった親のそばを離れたくないという気持ちが強くなる。新生活の疲れもたまっており、休み明けの生活リズムの立て直しに時間がかかる子もいる。

 園児が登園を嫌がる行動は、5月以外にも盆休みや夏休み後などにみられる。6〜7月頃に突然、嫌がるという例もある。

 親は子どもにどう対処すればいいのか。

 「親は『なぜ?』『何がイヤなの?』と原因究明したがるが、子ども自身もわかっていないことが多い。まずは子どもに寄り添い、共感の言葉をかけてあげて」。こう話すのは、幼児園「りんごの木子どもクラブ」(横浜市)を運営する柴田愛子さんだ。

 登園を拒否し、腹痛や頭痛を訴える場合もある。そんな時は痛い所を優しくさすってやると落ち着くことも多い。「気持ちを受け止めてもらえたという実感が子どもを前向きにさせる」と柴田さん。

 * 回復も早い

 登園を嫌がる状態が続くと親も疲弊する。「こどもの城クリニック」(東京)には、登園拒否の相談が年間を通じて寄せられる。臨床心理士の北原知典さんは「幼児は母親を基地にして力を蓄え、外へ出て行く。登園を嫌がる時は、母親と離れられないくらい疲れてしまっている証拠」と説明する。時間が許す範囲で抱きしめる、夜、一緒にゆったりお風呂に入る、抱っこして寝るなどすると落ち着きやすい。幼児はSOSサインを行動や体にすぐに表すが、その分、回復も早いのが特徴だ。

 大和(やまと)(むら)幼稚園(東京)の園長、向山陽子さんは「子どもは親と離れた所で日々頑張っている。通園できて当たり前と思わないで」と話す。「親が新社会人になった時と同様、子どもも行くのが嫌な日はある。対応に困ったら担任の先生に話を」と助言する。

 ただ、子どもによっては集団生活にいつまでもなじめず、専門家の支援が必要な例もある。登園を嫌がる状態が数週間続く、食欲がないなどの症状があったら保健センターなどにも相談したい。

2012年5月18日  読売新聞)

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