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自己分析 ほどほどに

 就職活動は「企業研究」に始まり「企業研究」に終わると思います。以前にも指摘しましたが、企業を研究することで自分の進むべき道を見つけられ、なおかつ合格の確率を上げることができるからです。

 一般的には「自己分析」の方が大切だと思われているようですが、僕はそう思いません。自己分析は文字通り、自分を客観的に分析し、どのような進路を選ぶのが良いのか、どんな業界なら活躍できるのかを調べる行為です。

 その根本思想は「自分に合わない仕事はしたくない」ということでしょう。すると例えば、「緻密さに欠けるから」金融業界を外し、「初対面の人と打ち解けられないから」営業職を外し、といった具合に、どんどん選択肢を狭めることになりかねません。

 僕は初対面の人は苦手だし、人前で話すのも嫌いです。まじめに自己分析すれば、新聞記者や採用の仕事は、まず職業候補から外れるでしょう。でも自分としては、記者の仕事も採用業務も実に楽しく、やりがいをもって体験できました。

 なぜでしょう。それは、仕事は素の自分だけでするものではないからです。初対面の人が苦手でも、新聞記者の僕は何かに突き動かされるようにして、初めて出会う人たちの話を聞きに走り回りました。これは職業意識というものかもしれません。そしていつしか、多少は人見知りも改善されました。

 みなさんは職業経験がないので、「仕事をする自分の姿」にまだ自信が持てないでしょう。だから、乏しい人生経験を元に自己分析しても、将来、自分が思いもよらない仕事で大活躍する可能性は見つけられないと思います。「自己分析はほどほどに」と僕が言う理由はここにあります。


 原田康久(はらだ・やすひさ)
 1962年生まれ。読売新聞東京本社人事部次長・採用担当デスク等を経て販売企画調査部長。著書に『すべらない就活2013年度版』。

 (2012年6月12日付読売新聞朝刊掲載)

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勝てるエントリーシート負けない面接テクニック(2013年度版)
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中央公論新社 (2011年8月 出版)
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2012年6月27日  読売新聞)
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