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青いパパイアでサラダ

 鹿児島に帰省した友人から、海と山の産物が送られてきた。産物を包む新聞紙を開くと、緑色の紡錘形の実が現れた。値札に記されている小さな文字を読むとパパイアとある。

 完熟の黄色いパパイアはスーパーなどでよく見かけるが、未熟な緑色のパパイアを手にするのは初めて。タイやベトナム料理の店では「青いパパイアのサラダ」としておなじみだが、鹿児島県で栽培されているとは知らなかった。

 日本の農産物生産者は偉いね。需要に合わせて、珍しい野菜もこんな風に栽培しているんだもの。ちゃんとおいしく料理して食べなくちゃ! これまで何度も青いパパイアを食べた経験はあるけれど、料理はサラダのみ。別の調理法もあるのかもしれないが、食べたことがないのでサラダに挑戦することにした。

 パパイア1個を半分に切り、種を出して皮をむく。千切りにして氷水にさらす。キュウリ1本も千切りにする。すり鉢にニンニクをひとかけ、砂糖大さじ2、赤唐辛子1本を入れ、すりこぎでつぶす。レモン汁大さじ2とナンプラー(魚醤(ぎょしょう))大さじ2杯、水大さじ1杯を加え混ぜてドレッシングを作る。

 パパイアを水切りし、キュウリ、缶詰のズワイガニ(汁ごと)、ちぎったシソと混ぜる。器に盛りつけ、砕いたピーナツをのせる。ミニトマトを周りに並べ、ドレッシングをかける。

 その日我が家にあったものを使ったので、少し日本風であるのは否めないが、ナンプラーの独特な香りと甘酸っぱさ、辛さが絡み合うコリコリした青いパパイアはかなり南国の味がする。シソではなく香菜(シャンツァイ)さえあったら……と残念だったが、爽やかなおいしさは変わらない。我が家で初めて調理された青いパパイアは、ニコニコ顔の私たち夫婦のお(なか)にすっかり消えていったのである。(イラストレーター、絵も)

2012年6月23日  読売新聞)
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