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与えられた仕事を全力で

今の会社で自分磨き3

 「キャリアデザインの三つの輪」という考え方があります。「やりたいこと(Will)」「やれること(Can)」「やるべきこと(Must)」の三つの輪の重なり部分が大きくなることが、理想のキャリア作りと言われています。

 「やりたいこと」が先行しても、会社からの期待や与えられた役割である「やるべきこと」が全うできていなければ、ただの自己中心的な存在です。また、「やれること」が不十分なら、能力不足の人材として、どこからも相手にされません。

 私が新入社員のとき、「やりたいこと」はコピーライターや編集者などの業務でしたが、配属されたのは想定外の人事部。「やるべきこと」である、面接などの採用実務に最初は戸惑ったものです。そして、幾多の失敗を重ねながら、とにかく与えられた仕事に全力で応えようと気持ちを切り替えました。やがて、社会人としての「やれること」の基礎を20代で築き、30代で転職情報誌の編集部に異動できたのです。

 そんな経験から、回り道や寄り道だと思われることも、振り返ればまっすぐな一本道で、何ひとつ無駄なことはないという実感が持てました。

 好きな仕事は、会社を辞めても手に入りません。今の仕事に全力で取り組む延長線上に存在するのです。(おわり)

田中和彦さん(人材コンサルタント)

2012年6月5日  読売新聞)

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