スカイツリー「ワイン」好調
多くの観光客でにぎわう東京スカイツリー(東京都墨田区)の直営土産物店で、一際目を引く人気の商品がある。
スカイツリーの形の瓶に入った国産ワイン「SKYTREE KATSUNUMA」。生産しているのは、山梨県甲州市勝沼町菱山のワイナリー「シャトー勝沼」だ。
スカイツリー建築の基本理念は、日本の伝統技術に最新のテクノロジーを結びつけて世界に発信すること。スカイツリーの運営会社「東武タワースカイツリー」は、直営土産店で扱う商品も「世界に発信できる優れたものを」との思いがあり、こだわりの製品を開発してくれる業者を探していた。
白羽の矢が立ったのは、ノンアルコールのワインテイスト飲料やワインと焼酎のブレンド飲料など、斬新な商品を展開する老舗のシャトー勝沼だった。東武タワースカイツリーが2011年2月頃、「土産品で国産ワインを展開したい。チャレンジしていただけないか」と依頼すると、シャトー勝沼は「めったにない機会。やってみたい」と快諾した。
シャトー勝沼側が、スカイツリー型の瓶を提案すると即採用となり、墨田区のガラス職人が瓶を製造することに。実物と同じ形を忠実に再現する一方で、ワイン詰めの工程に耐える強度も確保しなければならず、試行錯誤の末、高さ45センチの瓶が完成した。
直営土産物店では、日本酒や焼酎など多くの酒類を販売しており、スカイツリーを想起させる細長い瓶や、ラベルにツリーをプリントした商品もある。しかし、瓶をスカイツリーの形そのものにしたのは「SKYTREE KATSUNUMA」だけだ。原料のブドウは、国産を代表する品種として、白ワインは甲州種、赤ワインはマスカットベリーA。100%県産で、普段ワインを飲まない人も楽しめるよう親しみやすい味にした。
300ミリ・リットルで4700円。売り上げは1日10本程度を見込んでいたが、オープン後の1か月で約2000本に上った。発注が追いつかず、商品を陳列できない日もあった。
シャトー勝沼の今村英香専務は「多くの人に受け入れられてうれしい」と目を細める。東武タワースカイツリー営業計画部の担当者は「日本のいいものを出したいという思いで、連日夜遅くまで商品開発の議論を重ねた。自信を持って世界に発信したい」と語った。
「SKYTREE KATSUNUMA」は、スカイツリー直営土産物店での限定販売。
(薩川碧)
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