現在位置は です

本文です
子ども

菜園 好奇心も育つ

ミニトマトやゴーヤ 楽しく収穫

 子どもは土遊びが大好き。この夏、庭やベランダで子どもと一緒に野菜や草花を育ててみてはどうだろう。

 生育過程を観察したり収穫を楽しんだりして、親子のコミュニケーションも図れる。子どもの好奇心も育まれるようだ。

 2日午前、川崎市のマンション敷地内にある約17平方メートルの畑に住人たちが集まった。小学生以下の子どもと保護者約30人。庭のない子どもに土や植物に触れる機会を与えようと、トマトやナスなどの野菜の苗を植えて共同で栽培することにした。家庭ごとに水やり当番を決めて栽培し、子どもたちが収穫する。

 「この葉っぱ、いいにおい」「どんな野菜ができるの」。スコップを手にした子どもたちは畑の土を夢中になって掘り、苗を植えた。当日、指導した園芸家の国吉純さんは「子どもは、葉の形やにおい、土から出てきた虫にも興味を示す。子どもの発見や鋭い観察力に驚かされます」と話す。

 この日、西岡あかりちゃん(3)は、ダンゴムシを何匹も捕まえて得意げだった。母親のさやかさん(33)によると、あかりちゃんは毎日、畑に立ち寄って野菜の育ち具合を確認し、収穫を楽しみにしているという。自宅でも観葉植物などに「元気がないから水をやろう」と関心を持つようになった。

 幼稚園や保育所でも、田植えや芋掘りなどの体験活動を積極的に行うケースが目立つ。文部科学省と厚生労働省は「自然に触れる体験を通し、好奇心や思考力の基礎が培われる」と話す。花壇作りや生け花など花を教材にして、自然を思いやる心を育む「花育(はないく)」を取り入れる小中学校もある。

 家族で園芸を楽しむ童話作家の真木文絵さんは「ミニトマトやゴーヤは、今の時期から苗を植えても間に合います」と話す。真木さんは小学4年の次男(9)と一緒に栽培する機会が多く、家庭菜園の解説書「おいしい菜園とれたて野菜手帖(てちょう)」(日本放送出版協会)などを出版している。

 いずれも成長が早く、培養土を袋ごと活用すればプランターがなくてもベランダで栽培できる。袋の下部に水が通る程度の小さな穴を10個開けて苗を植える。14リットル(7キロ前後)程度の土なら、ミニトマトの苗は一つ、ゴーヤは二つが目安。ゴーヤはひさしの下にネットを張れば「緑のカーテン」に。日当たりの良い場所に置いて毎日水をやる。早ければ2〜3週間で収穫できる。「採れた野菜を料理して食卓を囲めば、会話も弾みます」(真木さん)

 真木さんは親子で植物と触れ合う際、「子どもに知識を教えようと焦らないで」とアドバイスする。水をやらないと枯れたり、思うように成長しなかったりする経験からも、命の大切さを学べる。「子どもが、植物は生きているんだと実感できたら十分。栽培を楽しむ気持ちを持ってください」と話している。

親子で植物を育てる際の ポイント

 ・「成長しているね」などと保護者が声をかけ、子どもの興味を引き出す

 ・植物には命があり、世話が必要なことを忘れない

 ・植物や土、虫などを触って、服や手を汚してもとがめない

 ・子どもが興味を示したら、「水やり係」などを任せると責任感が育まれる

 ・親子で一緒に植物の絵を描いたり簡単に成長の写真と日記を付けたりして、振り返っても楽しい

 (国吉さん、真木さんの話をもとに作成)

2012年7月6日  読売新聞)

 ピックアップ

トップ


現在位置は です


ケータイから発言小町の投稿・閲覧ができます
「掲載お知らせメール」も届きます
QRコード
くらげっとのつぶやき
小町さんのつぶやき