山の神ラスト
柏原 5区区間新へ挑む
第88回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)の焦点は、東洋大の柏原竜二(4年)が5区で4年連続の区間賞を獲得し、さらに区間記録を更新するかどうかだ。東洋大の4年連続往路優勝はあるのか。駒大や早大などのライバル校にどれだけの差をつけられるかが、総合優勝の行方をも左右する。
区間記録は、柏原が2010年の第86回大会で樹立した1時間17分8秒。前回の第87回大会は1時間17分53秒にとどまり、3年連続の区間記録更新とはならなかった。
日本テレビが計測したチェックポイントの通過タイム(非公式)を見ると、10年は序盤に落ち着いて入ったことが分かる。5キロまでは最もタイムがかかっているが、それが後半のペースアップにつながった。
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逆に前回は、いわゆる「突っ込みすぎ」だった。5キロまでは最も速かったが、そこからペースダウンしていった。柏原は「前回は焦ってしまった。今回は前回に比べて心に余裕がある。76分台くらいでは走りたい」と意気込む。
8月に十和田八幡平駅伝の5区(14・1キロ)で49分1秒の区間新記録を樹立。ここは上り坂が続くコースで、起伏があるロードでの強さには、さらに磨きがかかっている。酒井俊幸監督は「技術的には、体もどんどん成長して、筋力を使える動きになっている。彼も今回で最後の箱根。記録的にも、記憶的にも、今までで最もいい走りを望みたい」と期待する。
新記録はなるか――。早大時代に5区で活躍した解説者の金哲彦さんは「5区は登りきってからの下りも重要。柏原君はそこが少し苦手なのかなと思う。全体のタイムを上げるには、そこを上げないといけない」と指摘する。その上で、「僕も4回走ったから分かるが、年々コースのイメージが出来てくる。ペース配分なども、だんだんうまくなる」と語り、今回も快走する可能性は高いとみる。
「新・山の神」と呼ばれる柏原の最後の箱根。往路の主役が演じるドラマは、どんな結末を迎えるのか。
エントリー320人出身校 佐久長聖、西脇工最多9人
今回の出場20チームのエントリー選手計320人を出身校別に集計すると、最も多くのランナーを輩出しているのは、長野・佐久長聖と兵庫・西脇工の9人だった。佐久長聖は前回の11人から2人減ったが、村沢明伸(東海大3年)や大迫傑(早大2年)ら学生長距離界を代表するランナーがいる。同校を強豪に育て上げた
西脇工は前回から1人増えた。全国高校駅伝は2009年、10年と出場を逃したが、全国有数の強豪の面目躍如といったところか。
2校に続くのは広島・世羅と岡山・倉敷の8人。06、09年に全国高校駅伝を制した世羅は、10年の前回大会も2位。鎧坂哲哉(明大4年)は来年のロンドン五輪出場も見据える。
5位は、宮城・仙台育英の7人。都大路を沸かせた選手が、箱根でも活躍している。
箱根湯本駅―芦ノ湖 1月2日、大型車両規制
神奈川県警は、箱根駅伝往路が行われる来年1月2日、これまでの一般車両についての交通規制に加え、箱根湯本駅から芦ノ湖(往路フィニッシュ地点)まで、混雑が予想される駅伝コース上の国道1号上下線で、午前11時ごろから大型などの車両の交通規制を実施する。規制の対象は〈1〉乗車定員11人以上〈2〉車両総重量8トン以上〈3〉最大積載量5トン以上――のいずれかに当てはまる車両。路線バスも対象となるため、一部運休や
箱根新道は規制の対象外で通行可能だが、国道1号からの迂回車両が集中することが予想される。
区間ごとの規制時間は箱根駅伝公式サイト(http://www.hakone-ekiden.jp/)へ。県警などは駅伝コースおよび周辺道路は混雑することから、公共交通機関を利用して、時間に余裕を持って目的地に向かってほしいと呼びかけている。
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