『女性の品格』 坂東眞理子著
「親心」にじむアドバイス
官僚として長く青少年、女性政策に携わり、昭和女子大学長を務める人生の大先輩が、女性として心がけるべき66項目を指南する。
東京大卒業後に総理府入省、男女共同参画室長、埼玉県副知事、女性初の総領事――というスーパーキャリアウーマンのこと、厳しいアドバイスが並ぶと思いきや、故郷のおばあちゃんのような優しさだ。
礼状をこまめに書くべし、型どおりの挨拶を覚えなさい、
著者の優しさの秘密は、これまでの人生にあるのかも。男尊女卑の気風が強いという富山県出身。東京で就職しようにも当時の民間企業には女性向け求人が少なく、急きょ猛勉強して公務員に。20代は自分に自信がなかった、という。
壁にぶつかりながら手探りで進んできた著者ならではの“親心”がにじむ。社会へ一歩を踏み出す女性にとって、お守りのような一冊かもしれない。(恵)
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2006年、PHP新書刊。70刷、320万部。720円。
(2011年11月2日 読売新聞)
- 『現代落語論』 立川談志著 (12月14日)
- 『胡桃の中の世界』 澁澤龍彦著 (12月7日)
- 『中国列女伝 三千年の歴史のなかで』 村松暎著 (11月30日)
- 『「空気」の研究』 山本七平著 (11月23日)
- 『第一阿房列車』 内田百間著 (11月16日)
- 『真剣師 小池重明』 団鬼六著 (11月9日)
- 『女性の品格』 坂東眞理子著 (11月2日)
- 『インタビュー術!』 永江朗著 (10月26日)
- 『源平合戦の虚像を剥ぐ』 川合康著 (10月19日)
- 『本はどう読むか』 清水幾太郎著 (10月5日)
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