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『女性の品格』 坂東眞理子著

「親心」にじむアドバイス

 官僚として長く青少年、女性政策に携わり、昭和女子大学長を務める人生の大先輩が、女性として心がけるべき66項目を指南する。

 東京大卒業後に総理府入省、男女共同参画室長、埼玉県副知事、女性初の総領事――というスーパーキャリアウーマンのこと、厳しいアドバイスが並ぶと思いきや、故郷のおばあちゃんのような優しさだ。

 礼状をこまめに書くべし、型どおりの挨拶を覚えなさい、贅肉(ぜいにく)をつけちゃだめ、得意料理を持つといいわよ……。当たり前のことばかりかもしれないが、意識するのとしないのとでは仕事をする上でも、結婚して家庭を持つ上でも大違いではなかろうか。

 著者の優しさの秘密は、これまでの人生にあるのかも。男尊女卑の気風が強いという富山県出身。東京で就職しようにも当時の民間企業には女性向け求人が少なく、急きょ猛勉強して公務員に。20代は自分に自信がなかった、という。

 壁にぶつかりながら手探りで進んできた著者ならではの“親心”がにじむ。社会へ一歩を踏み出す女性にとって、お守りのような一冊かもしれない。(恵)

 2006年、PHP新書刊。70刷、320万部。720円。

2011年11月2日  読売新聞)

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