(12)「愛情表現の怒り」ほのめかす
先生の悪口ばかり言います。(小4女子の母)
「あの先生、サイテー」に始まり、「すぐ怒る」「うざい」などと、先生に対する悪口雑言を極める我が子。とはいえ、親まで一緒になって悪口を言うわけにはいきません。
関西大学の杉本厚夫教授(社会心理学)は、「子どもを途中で遮らず、まずは悪口を出し尽くさせましょう」と助言します。「そうか」「なるほど」と相づちを打ちながら聞く。そして、悪口が出尽くしたところで、「先生に良いところはないの?」と聞くのです。
大切なのは、一緒に考える中で、欠点は長所でもあること、つまり、物事は見方次第で変わる点に気付かせることだといいます。例えば、「関心のない人には怒らないよね」などと、愛情表現としての怒りもあるのをほのめかすのです。
杉本さんによると、そもそも子どもの悪口は、親しくなりたい気持ちの裏返しの場合が多いとか。「友だちを悪く言う子に『本当は仲良くしたいんだよね』と言うと、大体うなずくものですよ」
表面の現象だけにとらわれてはいけません。悪口の裏にあるものに気付き、しなやかに発想することを教えたいものです。(松本美奈)
(2011年7月1日 読売新聞)
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