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柔道女子70キロ級・上野巴恵、悲願の初V

女子70キロ級決勝でブランコを攻める上野巴恵=多田貫司撮影

 グランドスラム東京最終日(11日・東京体育館)――日本女子が3階級で優勝。70キロ級は上野巴恵(三井住友海上)が初制覇、78キロ級は世界選手権2位の緒方亜香里(筑波大)が2年ぶりに制した。

 日本人対決となった78キロ超級は、杉本美香(コマツ)が田知本愛(ALSOK)を延長旗判定で下した。

 日本の男子重量級は惨敗。100キロ級の穴井隆将(天理大職)は準決勝で敗れて3位、100キロ超級は、全日本選手権覇者の鈴木桂治(国士大教)が初戦で敗退した。日本は今大会、男子が7階級中5階級、女子は6階級を制した。

 全日本女子・園田隆二監督 「63キロ級以外は優勝できたが、勝ってほしい選手が勝てなかったのは不満」

「姉に続け」決勝一本勝ち

 五輪連覇の雅恵、2年連続世界女王の順恵を姉に持つ「上野三姉妹」の末っ子が、ようやくスポットライトを浴びた。一番上の姉から女子70キロ級のバトンを引き継いだ上野巴恵が、悲願のタイトルを手にした。

 最近は国際大会で結果が出ず、この朝、園田隆二監督から「今日負けたら先はないぞ」と、気合を入れられた。今大会は危機感を力に変えた。準決勝で、8月の世界選手権代表で1歳下のライバルでもある田知本遥に優勢勝ちすると、決勝は、実力者のブランコ(スペイン)に内股で一本勝ちを収めた。普段は物静かな22歳は、「雅恵姉ちゃんに『絶対勝てる』と言われて楽になった。勝ててホッとした」と喜んだ。

 北海道・旭川南高時代には、高校総体初の3連覇を遂げ、「素質は姉妹で一番上」との評価もあった。だが、高校時代に痛めた左肘じん帯のけがが尾を引いて精彩を欠き、「姉の活躍は励みになったが、プレッシャーにもなった」と苦しんだ時期もあった。

 今回の優勝でも、世界ランクは23位にとどまり、五輪出場圏内となる14位には届かない。今後、来年の欧州遠征で相応の結果を残せば、63キロ級の順恵との姉妹五輪出場の夢も広がる。「たまたま勝ったと言われないように、これからも頑張る」。姉の背中を追い続ける末の妹の挑戦が始まった。(下山博之)

 女子78キロ級・緒方亜香里 「たくさん見つかった課題を改善し、ロンドンで金メダルを取りたい」

男子100キロ級・穴井連覇逃す

男子100キロ級準決勝で黄橲太(韓国)に敗れた穴井(上)

 男子重量級8人の中でただ一人、穴井が準決勝へ進出したが、一昨年の決勝で負けている韓国の黄橲太(ファンヒテ)に敗れ、大会連覇はならなかった。

 今年は全日本選手権のタイトル奪還と世界選手権連覇を目標に掲げていたが、両方とも達成できず、「この大会に勝って来年へいい形でつなげたかったんですが……」と唇をかんだ。

2011年12月12日  読売新聞)

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