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柔道マスターズ男子90キロ級・西山将、粘ってV

「第3の男」代表争い優位に

男子90キロ級決勝でボプロソフを破り優勝した西山将(15日、カザフスタン・アルマトイで)=多田貫司撮影

 【アルマトイ(カザフスタン)=下山博之】柔道の世界マスターズ大会最終日は15日、男女7階級が行われ、男子は、90キロ級の西山将士(新日鉄)が初優勝した。

 準々決勝で世界選手権2連覇のイリア・イリアディス(ギリシャ)を破り、準決勝でブラジル選手、決勝でロシア選手に勝った。100キロ超級の上川大樹(明大)は準優勝に終わった。81キロ級の中井貴裕(流経大)は2位、100キロ級の穴井隆将(天理大職)は3位だった。女子は、70キロ級の国原頼子(自衛隊)の2位が最高だった。第1日は、女子が全4階級を制覇。63キロ級は上野順恵(三井住友海上)が優勝した。男子73キロ級は、世界王者の中矢力(東海大)が2位に終わった。

 男子90キロ級で3番手の存在だった西山将が、悲願のビッグタイトルを手にした。小野卓志(了徳寺学園職)、西山大希(筑波大)のライバル2人が勝てなかった2年連続世界王者のイリアディスも破った「第3の男」が、ロンドン五輪代表争いに大きく割って入った。

 大会前、「イリアディス対策はしてきた」と胸を張っていた男の言葉に、うそはなかった。対戦は準々決勝。背中を持てば規格外のパワーを出してくる相手の袖を握って、組み手を支配した。攻め手を欠いて受けに回った相手に2枚の指導が行って波乱を演出すると、決勝もボプロソフ(ロシア)を終了間際の足技で退けた。

 山口県出身の26歳。世界ランクは2位の小野、3位の西山大より劣る8位で、過去2回の世界選手権代表の座は上位2人に奪われていた。だが、「マイペースで自分の柔道を作り上げる」と腐らずに努力を重ね、昨年末のグランドスラム東京と、中国でのグランプリを続けて優勝。篠原信一監督も「西山将は粘り強い柔道をする」と評価を上げた。

 代表争いは、ほとんどの階級で2人に絞られてきた中での三つどもえの争い。五輪で金メダルを目指すなら、切磋琢磨(せっさたくま)するライバルは多い方がいい。(下山博之)

 西山将士「この試合でボロボロになったら、見えてくるものがあると思って戦った。初戦から強い相手と勝負できて楽しかった」

2012年1月16日  読売新聞)

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