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レスリング女子吉田・伊調、3度目五輪

女子55キロ級決勝で村田(手前)を破り優勝、五輪出場を決めた吉田=冨田大介撮影

 レスリング・全日本選手権最終日(23日・代々木第2体育館)――女子55キロ級の吉田沙保里(ALSOK)が大会10連覇を達成し、9回目の優勝を飾った63キロ級の伊調馨(同)とともに、3大会連続の五輪出場を決めた。72キロ級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)は男女を通じて最多の15回目の優勝。男子フリースタイル60キロ級で世界選手権3位の湯元健一(ALSOK)は2回戦で敗れ、この大会での五輪出場決定はならず。浜口と男子で五輪出場枠を獲得していない各階級の今大会優勝者が、来年3〜4月の五輪アジア予選(カザフスタン)に出場する。

吉田、苦しみV10 「気持ち入れ直す」

 決勝が終わった瞬間、吉田はミスをしたと言わんばかりに、自分の頭を手でポンとたたいた。4月の全日本選抜選手権でポイントを許した高校生の村田から、第1ピリオドに2点を奪われる女王らしくない試合だった。

 開始早々にタックルされ、背後に回られて1失点。その体勢から返し、2点を奪ったが、再び足を取られて1失点。一気に挙げた得点が相手より多い「ビッグポイント」の規定で、このピリオドを取り、第2ピリオドを1―0で奪って優勝したが、「腰が浮いた感じだった。情けなくて、言葉がない」と振り返った。

 苦手なタイプの選手だった。相手と間合いを取り、速いタックルを繰り出すのが吉田の戦い方だが、相手に接近され、組んでしまうと苦戦する。柔道の競技歴がある村田は、「自分から組んで、差しにいったら技が決まると思っていた」と明かした。

 9月の世界選手権に続き、また課題が見つかったが、それを五輪3連覇への収穫と前向きにとらえるのが吉田だ。「気持ちを入れ直す」。そう誓った。
(大野展誠)

 【男子決勝】
◇フリースタイル▽60キロ級 前田翔吾(ニューギン)2―0石田智嗣(早大)▽74キロ級 高谷惣亮(拓大)2―0小島豪臣(K―POWERS)
◇グレコローマン▽66キロ級 藤村義(自衛隊)2―0板倉史也(エス・ピー・ネットワーク)▽84キロ級 天野雅之(中大職)2―0岡太一(自衛隊)

 【女子決勝】
▽55キロ級 吉田2―0村田夏南子(東京・安部学院高)▽63キロ級 伊調 フォール1ピリオド1分59秒 渡利璃穏(至学館大)▽72キロ級 浜口2―0新海真美(アイシンAW)

 ■湯元健一

 「技を仕掛けるのが遅かった。五輪に出るのは自分だと思っているので、この負けを鍛え直す機会と前向きに捉えたい」

 ■笹本が引退

 グレコローマン60キロ級の2007年世界選手権銀メダリストで、シドニーから3大会連続で五輪に出場した笹本睦(34)(ALSOK)が現役を引退することが23日、わかった。今後は指導者を目指すという。

 笹本は、この日の全日本選手権同66キロ級に出場し2回戦で敗れると、「この大会が最後と決めていた。悔いはない」と話した。

2011年12月24日  読売新聞)

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