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Q.犬と暮らすには

最期まで「子育て」覚悟を

「むうを連れて散歩に出ていたら、ご近所の犬友だちも増えました」と話す望月さん(東京都内の自宅で)

 「人間と最も親しい動物」とされる犬がそばにいれば、一人暮らしの大きな心の支えになりそうです。

 しかし、家族がいたなら分担できる餌やりやトイレなどの世話は、すべて自分でしなければなりません。飼い始めるなら、とことん責任を持つ覚悟が求められます。

 東京都内の会社員望月宏美さん(39)は、戸建ての自宅で、生後5か月のトイプードルのオス「むう」と暮らす。

 一昨年母が亡くなり、一人暮らしになった。家の中は静かで、当時は、その日最初に口にする言葉が職場でのあいさつ、という日もあった。むうを迎えたのは昨年11月。「『ただいま』『ご飯だよ』とむうに話しかけます。いるんですね、家にもうひとり」

 望月さんは契約社員で、職場は自転車で15分の距離にある。家にいるのが好きで、掃除もきちんとしている。食費やトリミングなどの費用は月2万円近くかかるが、なんとかやりくりしている。むうは小型犬であまりほえない。

 「望月さんのケースは、一人で犬を飼うのに理想的な状況に近い」と、家庭犬をしつけるインストラクター井原亮さんは説明する。

 井原さんは飼育を検討する時点で考慮すべき点として、〈1〉管理しやすい室内で飼えるか〈2〉飼育にかかるお金の負担は大丈夫か〈3〉日々の散歩をはじめ、世話をする時間は十分あるか――などを挙げる。

 マンションやアパートに住むなら、「ペット可」の物件であることが絶対条件だ。加えて動物病院や犬を預ける施設が近所にある方がいい。

 お金の問題も大きい。犬の購入費や登録料に加え、リードや柵など飼育道具や犬の生活用品などにもお金がかかる。毎月の食費やトリミングにかかる費用、定期的な予防接種代なども。

 飼い始めた後は、トイレの場所を覚えさせる、無駄ぼえしない、留守番上手にするといったしつけをすることになる。犬の食事や散歩、遊びの相手もすることになる。病気やけがもするし、年をとれば介護、看取(みと)りをしなければならない。残業や出張が続いて仕事が忙しいなど、世話の時間が十分に取れない状況なら、最初から飼うのはやめた方がよい。

 東京都江東区で動物病院を開業する獣医師、矢島信一さんによると、一人で世話をしきれず、見かねた実家の親や友人が引き取った例、運動不足やストレスで犬が肥満になってしまった例などがあるという。「パートナーと暮らすというより、自立する日が永遠に来ない子育てです。その覚悟を持って愛犬を迎えてほしい」と、矢島さん。

 犬を飼うことは、家族を増やすこと。その家族を悲しませないと言い切れる人だけが、飼う資格があると言えそうだ。

一人暮らしで犬を飼う時の注意点
 ・犬の寿命は15年前後。将来の自分の状況(結婚、出産、転勤、転職、自身の年齢や体力など)を想定し、継続飼育が可能か考える。
・職場への通勤時間は短いほどよい。生後数か月の犬のトイレは数時間おきに世話が必要。
・毎月の養育費の目安は1万〜3万円。ペット貯金もしたい。
・世話をしやすい小型犬で。犬種や飼い方は専門家と相談を。
・職場の同僚、実家、友人・知人、ペットシッターなど頼りになるサポーター、ホームドクターを作る。
(井原さん、矢島さんの話をもとにまとめました)
2012年2月2日  読売新聞)

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