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中国…広がる中国語学習サイト

世界に向けて中国語の無料教材をネットで発信している王主竜さん(左から3人目)、張潔さん(同2人目)らCSLPODの関係者

 北京の雑居ビルの一室から中国人グループが発信する中国語学習サイトが、日本やアメリカを始め世界各地でじわじわと支持を広げている。

 サイト名は「CSLPod」。初級から上級まで毎週新しいオリジナルのレッスンが公開され、例文と解説に加え、リスニング教材も無料でダウンロードできる。内容は日常生活から旅行、ビジネスまで様々。中国の文化や社会への理解も自然と深まるよう工夫されている。

 サイトの開設は、コンピューター技術者の王主竜さん(35)が、勤めていた日系企業で2004年に日本勤務となり、語学の重要性を実感したのがきっかけ。友人で日本滞在経験がある中国語教師の張潔さん(31)が「地域の人がボランティアで日本語を教えてくれた恩返しがしたい」と協力を申し出た。

 友人知人も手弁当で集まり、仕事が終わった夜間や休日に教材作りや録音をして、07年2月、サイトがスタート。最初の3か月はほとんど利用者がいなかったが、今では世界100か国以上の約9万人が利用者登録、蓄積したレッスンは1300を超えた。

 2人は昨年、仕事を辞めて事務所を開設。寄付だけでは運営費が賄えないため、通信教育など有料のサービスも始めた。まだまだ採算は合わないが、世界中から届く感謝や応援のメールに手応えを感じる。日本人のボランティアもおり、日本語訳の作成などで協力しているという。

 「言葉は人と人をつなぐ。中国語を勉強したい人が、どこにいても生きた中国語に触れられる環境を作りたい」と王さん。利用者同士が意見交換をしたり教えあったりと、サイトは新たな交流の場にもなっている。(北京で、角谷志保美、写真も)

2012年1月19日  読売新聞)
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