現在位置は です

本文です
キレイを磨く

主役でも脇役でもOK!ネギの実力

疲労回復、睡眠改善――ネギ効果

アクティブ野菜ソムリエの知久幸子さん

 寒い日が続いています。殺菌作用とともに、からだを温める効果があるとされる辛味成分――今回は、この時期にたっぷり食べて元気になりたいネギを取り上げます。

 実は私、大のネギ好き、それも辛味が利いた生のネギが好きです。しかも、好みの男性タレントが、テレビで「とにかくネギをたくさん食べることにしています!」と発言しているのを聞いて、我が家の食卓で、ネギが主役級で登場する回数が増えています。

 さっといためたネギにジャコと白ゴマを加えて、ゴマ油を一振りすれば、私のワインのお供の定番です。万能ネギなどは、生のままサラダにトッピングします。蒸した魚に白髪ネギをたっぷりというのもおいしいし、もちろん、ネギま鍋にネギ焼きもはずせません。

 OLから調理師資格を取得して転身、現在はアクティブ野菜ソムリエとして野菜の各種セミナーなどでも活躍する知久幸子さんにネギのあれこれを教えていただきました。

 ネギの原産地は中国西部とシベリア地方。朝鮮半島を経て日本に伝わり、日本書紀には早くも「秋葱(あきき)」という記載があります。一般に広まったのは平安時代になってからのようです。

 白い部分を食べる根深ネギ(白ネギ)と、やわらかい青い葉の部分を食べる葉ネギ(青ネギ)に大別されますが、関東では白ネギを、関西では葉ネギが好まれます。

 白ネギにも青ネギにもあるネギ独特の刺激的な香りや辛味は、ニンニクやタマネギと同じ硫化アリルという成分。疲労回復効果が認められるビタミンB1の吸収を高める働きがあるそうです。

 睡眠改善にも効果ありといわれています。知久さんの体験では、「講習用にネギをたくさん抱えて乗った電車で、いつもはそんなことがないのに、こっくりこっくり舟をこいでしまいました」とか。

 硫化アリルは揮発性なので、水にさらしたり、長く加熱したりすると、効果を失ってしまいます。効果を期待するならば、生が一番ということでしょうか。

 また、葉ネギは緑黄色野菜に分類されるほどカロテンが多く、免疫力を強化してくれます。日にあたっている緑色の部分に栄養素が多いので、栄養価は葉ネギが高いのです。

 とはいえ、鍋に入れる場合は、加熱するとトロリと甘くなる根深ネギが最適ですね。葉の内側のヌメリは、魚や肉の臭い消しにも重宝します。根深ネギは、12月から1月の今が旬。低温で成長するので、糖質とペクチンが増えて風味が増すといいます。

ネギの食べ比べに挑戦

左・ネギといっても、いろいろな種類がある、右・7種類のネギを食べ比べ
左・アジサイネギを栽培する成嶋伸隆さん、右・ネギの種は意外に角ばっている

 知久さんの講座をのぞいて、ネギの食べ比べをしてみました。気候風土に合わせて各地で特徴ある品種が生まれており、いまやその数500種類以上とも。

 食べ比べした葉ネギは、代表格の九条ネギをはじめ、140年の歴史がある千葉・松戸のアジサイネギ、高級すし屋で見かける芽ネギの3種類。芽ネギというのは栽培法による呼び方で、種を密にまいて7センチほど伸びたところで摘み取ります。これらは生で食べてみました。

 根深ネギは、青森・十和田産の白と緑の境目がはっきりしている「ぼけしらず」、白根が特に深く太い「下仁田ネギ」、ヨーロッパ原産の西洋ネギ「リーキ」、茨木県那珂川流域の特産で、外のさやが赤紫色になる「赤ネギ」の4種類。こちらは加熱調理して食べました。

 色、香り、食感、甘さ、辛味など、それぞれに特徴があるのですが、点数が高かったのは、葉ネギでは九条ネギとアジサイネギ、根深ネギでは赤ネギとリーキ。辛味が少なく、マイルドな味のものが一般的には人気でした。

 講座に参加していたアジサイネギの生産者、松戸の成嶋農園の成嶋伸隆さんは、「アジサイネギは葉ネギのわりに白根の部分もしっかりしているので、一本で二度おいしいんですよ」と、アピールしていました。

 ちなみに、万能ネギは小ネギとか生産地名を付けて「博多万能ネギ」と呼ばれ、葉ネギを若掘りしたもの。アサツキはネギの近縁種で、チャイブなどと同種。やわらかな辛味と香りをあわせもちます。ワケギはネギとタマネギの掛け合わせで、分類学上はネギと別種なのだとか。

 最近は、下仁田ネギを改良して、より肉厚でやわらかい鍋用ネギの「なべちゃん」も売り上げを伸ばしているそうです。

 ネギは乾燥に弱いため、新聞紙に包み、できれば立てて冷暗所で保存するのが一番。泥つきは、白い部分を土に埋めておくと長持ちします。小口切りにして冷凍保存するのも便利ですね。

 最後に、知久さんおすすめのネギの簡単レシピから3品ご紹介しましょう(材料は2人分)。アンチ!エイジングの観点からみても、工夫のあるレシピに注目です。

白ネギのホットマリネ
ネギのあったかスープ
葉ネギたっぷり混ぜご飯

 【白ネギのホットマリネ・粒マスタード風】
熱々のうちに食べても、冷やしてから食べてもおいしい一品。
(1)白ネギ中1本は5センチ幅に切って、両面に切り込みを入れる。ミニトマト6個は半分に切る。
(2)ボウルに粒マスタード、ハチミツ、酢各大さじ1杯を混ぜ合わせておく。
(3)フライパンにオリーブ油大さじ1杯を熱し、ネギを入れて焦げないようにいためる。
(4)フライパンに、トマトと日本酒50ccを加えてふたをして蒸す。火が通ったら、(2)の合わせ調味料を入れて煮からめる。冷蔵庫で冷やす場合は、酢を多めにするとよい。

 【まるごとネギのあったかスープ】
ネギとサツマイモの組み合わせは便秘改善につながり、ダイエット効果もあるとか。
(1)白ネギ中1本は3センチ幅の斜め切りに。青い部分は細めに切る。サツマイモ小半個は皮つきのまま角切りにして、水に2分ほどさらしてあくを抜く。
(2)鍋にゴマ油大さじ1杯を熱し、ネギは弱火で焦げないようにいためる。しんなりしてきたら、水切りしたサツマイモを加える。
(3)鍋にだし汁1カップを加えて煮立て、サツマイモに火が通ったら、豆乳1カップとすりゴマ大さじ1杯を加えて、塩で味を調える。

 【葉ネギたっぷり混ぜご飯】
具材を冷凍しておけば、いつでもご飯に混ぜて食べられます。豚肉もコーンもビタミンB1が豊富。ネギはここでは脇役ながら、ビタミンB1の吸収を高めるのに貢献しているのです。
(1)葉ネギ1袋(約80グラム)は3センチ幅に切る。豚ばら肉100グラムは1センチ幅に切り、塩を振っておく。
(2)フライパンにゴマ油大さじ1杯を熱して肉をいため、次にネギとコーン75グラムを加えてさっと火を通し、砂糖大さじ1杯強、しょうゆ大さじ2杯を加えて煮からめる。
(3)ボウルに炊き立てのご飯(1合分)を入れ、(2)の具材を混ぜ合わせ、好みで一味唐辛子を振る。白髪ネギをトッピングしてもよい。

プロフィール


永峰好美(ながみね・よしみ)1979年読売新聞社入社。編集局生活情報部、解説部などで取材 にあたり、2005年5月より東京・銀座の百貨店、プランタン銀座取締役、2011年5月同常務取締役。記者時代はメイクも落とさずベッドに直行することが多く、お肌もボディもぼろぼろに。今は、貪欲に様々なビューティー情報にアンテナを張り巡らせています。「新おとな総研」では、銀座に関する話題をつづった「GINZA通信」を連載中。

2012年1月27日  読売新聞)

 ピックアップ

トップ


現在位置は です


ケータイから発言小町の投稿・閲覧ができます
「掲載お知らせメール」も届きます
QRコード

小町テレビ


くらげっとのつぶやき
小町さんのつぶやき

発言小町のガジェットができたよ!
ブラウザを起動しなくても、新着トピやよく読まれているトピが表示されるし、YOLの主要ニュースや話題のキーワードがわかる便利なツールです。今すぐ、ここからダウンロードしてね!