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「自分のカラダと向き合う方法教えます。」(1)

女性たちに伝えたい、一人一人に合った正しい運動の大切さ

 女性医療ネットワークは対馬ルリ子先生をリーダーとし全国の医師を中心に、医療・健康に携わるさまざまな方・500名以上が連携し、女性外来として患者さんを診て、情報発信などの活動しています。

 私は整形外科医として運動器を診る専門家ですが、運動器というのは、私達が唯一自分の意志でコントロールできるもので、具体的には筋・骨格・神経系の組織・器官からなっています。それぞれに役割があり、またそれらが密接に運動・連携する機能的な連合体でからだを動かすしくみになっています。

 私が整形外科医として多くの患者さんを診てきて、女性の方にもっとも多い訴えが肩こりと腰痛、関節痛です。症状として辛いわりに軽視されやすい傾向があり、病院に行っていいのか判断がつきにくい、レントゲンではわからないことが多い、そうしている内に症状が蓄積していき生活全体の質がおちることになります。

 原因の多くは“姿勢”の問題です。当たり前すぎて気がつかない方も多いのですが、ライフスタイルの多様化に伴い生活の中で限定された動き(たとえば主婦の家事仕事や、OLのデスク作業など)に慣れ、正しい姿勢がとれなくなって、体に支障をきたします。決まった筋肉しか使わない事からくる不調で、病院や鍼灸・マッサージなどに頼って解決しようとされる方がほとんどですが、まず大事なことは、ご自分のカラダの状態を理解して、自分がどうしていったらいいのかという意識を持っていただくことです。

 病気治療中の方も健康な方も病気のことや自分のカラダを理解しようという気持ちを持つと、普段の意識が自然に変わります。その上で、より効果を上げてくれる助っ人として、プロのスポーツトレーナーに自分のカラダに合ったトレーニング法を指導してもらうと自分でカラダの変化を実感できるようになります。女性は、男性と比べて関節への負荷が大きいという弱点や、運動への意識が少し低い傾向があります。最近は運動に関するプロと呼ばれる方はとても多岐にわたり、優秀なスポーツトレーナーがたくさん活躍し、そのレベルが上がっていて、私も彼らとの連携の必要性を感じ、実際に連携して手ごたえを感じています。

10年後も元気でいるために!

 今や日本女性の平均寿命はほぼ90歳に近く、長い人生、体のコンディションをどのように整えて充実させられるかは大きな課題です。女性は長寿ですが、人生の最後に体に支障をきたして寝たきりになってしまう率は男性と比較して高いのです。健康寿命を少しでも長くするために、20歳でも、40歳でも、60歳からでも、病気治療中の方も健康な方も、正しく運動するチャンスをつくる事をオススメします。

 運動は、自身のもっている機能回復や不調の改善が目的ですが、これが"予防"という概念で、これからかなり重要になってきます。私たち女性のカラダは、女性ホルモンの影響を受け、毎月・毎年、そして更年期を迎えるなど、大きく変動していくのが特徴です。いつでも美しく自分らしくあるために女性の方に自分のカラダと向きあい、予防につなげていただきたいのです。

 運動のきっかけを正しくつくるためにプロの協力を得ること、また継続していけるよう励まし・共有できる仲間をつくることも大事なことです。

プロフィール


大井律子(おおい・りつこ) 整形外科専門医 医学博士
高知医科大学卒業後、山口大学整形外科学教室へ入局。
医局関連病院での臨床経験を経て、2006年から女性医療に関わるようになる。2007年からウィミンズ・ウエルネス銀座クリニックで整形外科の外来を開始。運動器を診る専門家の立場から女性のカラダと心のケアを行っている。今年5月にオープンしたウィミンズ・ウェルネス銀座健康院ジュノでは、運動器に関する医療のプロとスポーツトレーナーとの新たなコラボレーションによるパーソナルトレーニングをスタートした。

◆女性医療ネットワーク http://www.cnet.gr.jp/

女性の体と心の健康と幸福に貢献する統合医療をめざすNPOです。メンバーが交代でコラムを執筆します。
2010年9月8日  読売新聞)

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