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「自分のカラダと向き合う方法教えます。」(4)

 運動器で大事なことは1.正しい姿勢 2.カラダの関節の可動域を最大に 3.カラダを支える筋力 です。今回はいよいよ女性にとって筋力の大切さについてお話しましょう。

 筋肉には、伸ばす筋肉と、曲げる筋肉があり、そのバランスが悪いと肩こりなどの症状が現れます。関節を支えて動かすための左右の筋肉のバランスが悪くても、一方の筋肉が短く固くなって支障がでます。

女性がなぜ筋力を意識しないとならないの?

 筋力のもうひとつ重要な機能が、血液を心臓へ送るポンプの役割です。血液は心臓から全身へ送り出して届くわけですが、逆に全身の血流を心臓へ戻すために筋肉が働き、血管を収縮させて戻すというしくみです。その筋肉を保つために大きな熱量が必要なため、体温が上がるのですが、筋肉量が少ない女性には「冷え」症が多いという事です。女性がダイエットをする時に、筋トレなどで筋肉を徐々につけると、そこでエネルギーを消費しやすくなるということにつながります。

 筋力が弱いと、冷えに加え代謝も悪く、動きが悪くなるためケガをしやすいというリスクも出てきます。また女性は男性より筋力不足で、支える力が弱く肩こりや腰痛も多くなります。同じ姿勢を維持し続けると、動かない筋肉がさらに緊張しっぱなしになり、血管が圧迫されます。それによって血流が低下し、筋肉に老廃物がたまりやすくなって、神経を刺激し痛みを感じるようになります。さらにストレスや自律神経の緊張によって負担がかかり、重い肩こりの症状などを引き起こします。

女性に合った、日常の筋力トレーニングを!

 女性は普通の生活をしていても35歳ぐらいから毎年約1%ずつ筋肉が減少すると言われています。逆にいえば、日々の積み重ねで取り戻せるとも言えます。たとえばストレッチをすることにより、関節の可動域を拡大したり、柔軟性を上げ、筋の緊張を低下させます。また筋肉にもいろいろ種類がありますが、インナーの細く繊細な筋肉を鍛えると、実際の動きをサポートする役割をしてくれます。

 このインナーマッスルのトレーニングは、ピラティスやコア(体幹)トレーニング、筋トレなどで実現できます。筋力トレーニングはそのほかに体脂肪・コレステロールを減少させ、骨密度を上げるという影響もわかっています。更年期に該当する方は、急激に腹筋・背筋が衰え、血液循環なども悪化しますのでその予防のためにも筋力をつける事は有効です。

 かなり高齢の方でも、定期的なリハビリ・トレーニングをすることによって体は変化していきます。そういう様子を見ていると人間の体の力に改めて驚かされます。何歳からでもあきらめずに始めることが大事ですね。筋力トレーニングをより効果的にするために、運動の少し前にアミノ酸を飲むと筋肉の疲れを取りやすく筋力アップを助けます。女性こそ、筋力トレーニングが必要なことがおわかりいただけたでしょうか。コツさえわかれば、普段の生活の中でも少しずつ取り入れられるはずです。

プロフィール


大井律子(おおい・りつこ) 整形外科専門医 医学博士
高知医科大学卒業後、山口大学整形外科学教室へ入局。
医局関連病院での臨床経験を経て、2006年から女性医療に関わるようになる。2007年からウィミンズ・ウエルネス銀座クリニックで整形外科の外来を開始。運動器を診る専門家の立場から女性のカラダと心のケアを行っている。今年5月にオープンしたウィミンズ・ウェルネス銀座健康院ジュノでは、運動器に関する医療のプロとスポーツトレーナーとの新たなコラボレーションによるパーソナルトレーニングをスタートした。

◆女性医療ネットワーク http://www.cnet.gr.jp/

女性の体と心の健康と幸福に貢献する統合医療をめざすNPOです。メンバーが交代でコラムを執筆します。
2010年10月28日  読売新聞)

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