ロンドン 伝統と革新
2012-13年ロンドン秋冬コレクションが17〜22日、開かれた。ロンドン五輪開催とエリザベス女王即位60周年と、英国に注目が集まる年だけに、「伝統と革新」が特徴のファッションにも注目してもらおうという機運が高まった。(編集委員 宮智泉 写真 中嶋基樹)
コレクション主催団体のブリティッシュ・ファッション・カウンシルは会期中、「ファッションの将来」という報告書を発表。その中で英国ファッションについて、「革新的なデザインと、伝統あるブランドが盛り返してきたことが認識されるようになった」と特徴付けている。
その伝統あるブランドが存在感を見せた。バーバリー・プローサムは、ツイードなどクラシックな布を使いながら、若々しいスタイルを提案。エリザベス女王から英国王室御用達認定書を授与されて50周年のダックスは、ブランドの顔である格子柄を繭型シルエットのコートやゆったりしたワンピースに取り入れ、新味を出した。
バッグブランドとして日本でも知られるマルベリーは、コートやパーカ、マフラーを大ぶりにデザインしたスタイルが特徴だ。
若手の健闘も目立った。その代表格が、コンピューターグラフィックスを駆使した斬新なプリント柄の服で注目されるメアリー・カトランズ。立体的に浮き出たように見える柄をデザインする一方で、フランスの老舗刺しゅう工房と組んでプリント柄に深みを出した。
近年、歴史や伝統を強調するブランドは少なくない。しかし、頼りすぎても発展性はない。伝統と革新のバランスをどうとるか。今回、新しい技術などを用いて前向きに取り組むデザイナーの静かな意欲が感じられた。
「ヨミウリオンライン」(http://www.yomiuri.co.jp/collection/)では、コレクションの様子を詳報しています。
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