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万博会場に未来の車 「電気自動車」


「大阪万博」の会場で活躍した電気自動車の行列(1970年3月6日)

 大阪府吹田市の千里丘陵で1970年3月14日から9月13日までの183日間開催された大阪万博(日本万国博覧会)。総入場者数は約6422万人で、2010年の上海万博の約7300万人に抜かれるまで、万博史上最多でした。

 人気パビリオンでは数時間待ちの行列ができるなど大混雑、特に「月の石」を展示したアメリカ館の行列は延々と続き、途中であきらめた人も多かったようです。

 写真のクルマは、ダイハツが開発・製作した電気自動車で、万博会場内でのタクシーや運搬車、警備車などとして275台が納入されました。万博会期直前に撮影されたこの写真は、電気自動車が行列しており、仮ナンバーでボディー架装も未完成なので、他の工場に輸送中か、万博会場へのデモ走行ではないかと考えられます。

 当時、ダイハツは電気自動車の開発に積極的でした。しかし、動力源の鉛バッテリーの性能には限界があり、その後、開発を断念しました。現代の電気自動車は高性能なリチウムイオン電池を使用していますが、やはり技術やコストの課題を抱えています。

「愛知万博」に登場した電気自動車(2004年12月3日)

 右側の写真は、2005年の愛知万博(愛・地球博)で、トヨタ自動車のパビリオンで公開された1人乗りの電気自動車「i−unit」です。万博の前年に事前公開されました。

 サイズは1人の人間が立つスペースに近く、高速時にはホイールベースを広げて低重心で安定した走行をします。IT技術を使って各種センサーで周辺の状況認識、車同士や道路状況の把握するなど、未来の交通を先取りしていました。動力源はリチウムイオン電池で、後輪の中のモーター(インホイールモーター)を回します。

2011年10月25日  読売新聞)
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