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「お願い」フィナーレ…自・民、池袋決戦

 「日本の未来に責任を取る」と叫ぶ自民党の麻生首相、「日本で初めての『民主政権』を誕生させる」と訴える民主党の鳩山代表。

 政権をかけて争う両党党首は29日夜、「最後の訴え」の場所にいずれも東京・池袋を選び、駅をはさんだ東と西で主張をぶつけ合った。同駅周辺は身動きもできないほどの人だかりに。他の政党党首らも各地でフィナーレの演説を行い、列島を選挙一色に染め抜いた長い夏の戦いを締めくくった。有権者はどんな政権を選び取るのか。審判は30日に下る。

池袋駅(中央)の東口で自民(左側)、西口で民主(右側)の両党首が最後の訴え(29日夜、本社ヘリから)=三輪洋子撮影

 JR池袋駅東口。午後7時半過ぎからの演説で、ブルーのワイシャツの袖をまくり上げた麻生首相は日に焼けた拳を握り、「日本の未来に責任を取る」と叫ぶように訴えた。選挙戦前半に見られた「おわび」は封印、「自民党には経済成長させる政策があるが、民主党にはない」と民主党を激しく批判する場面もあった。

 周辺は歩道から人があふれる混雑。夫婦で演説を聞いた東京都板橋区の主婦、高橋幸子さん(39)は「妊娠中で子育て政策に一番興味がある。ばらまきで将来にツケを回すのでなく、子どもを育てやすい社会にしてくれる政党に入れたい」。

 同区の自営業、海老根善行さん(61)は「民主党では財源に不安があるが、これまで支持した自民党の政策で社会に閉塞(へいそく)感が広がった。両党首の演説を聞いて決めたい」と冷静に分析していた。

 西口に陣取った鳩山代表が午後7時40分頃、「日本の歴史を塗り替えるみなさん、お集まりありがとうございます」と切り出すと、支持者で埋まった西口公園の熱気は最高潮に。「頑張れ」「政権交代だ」の声が飛び交った。

 鳩山代表は、公約がぶれていると自民から批判されたことについて「誹謗(ひぼう)中傷合戦は好まない。堂々とマニフェストを理解してもらうよう訴えてきた」と総括。「日本で初めての『民主政権』を誕生させるため、命を懸けて働く」と宣言すると、「鳩山総理」のかけ声も上がった。

 練馬区の上田友美さん(37)は「親の収入に関係なく、子どもが平等に教育を受けられる社会にしてほしい」。埼玉県所沢市の会社員田辺圭さん(26)は「歴史に残る演説だと思って来た。もっと具体的な政策を聞きたかった」と話した。

 公明党の太田昭宏代表は、地元のJR赤羽駅前で最後の演説。マイクを両手でしっかり握り、「あと1票、あと1票、みなさんに頼るしかない」と声をからした。

 共産党の志位和夫委員長もJR池袋駅東口で、午後3時半頃から「国民が主人公の新しい日本に」と訴えた。

 社民党の福島瑞穂党首はJR大阪駅前で、「民主党独り勝ちではなく……」と前置きした上で、拳を振り上げながら19回「社民党」と連呼。

 国民新党の綿貫民輔代表は、地元・富山県南砺市で「郵政民営化で全部良くなるというマニフェストが現実には泥沼になっている」と自民党批判を展開した。

 みんなの党の渡辺喜美代表は横浜市内で「必ずこの国を変えていきます」と何度も拳を突き上げながら訴えた。

 改革クラブの渡辺秀央代表は堺市で、「(北朝鮮による)拉致被害者の救出に全力で取り組む。日本の将来を真剣に考えているのは我々だ」と語った。

 新党日本の田中康夫代表は兵庫県尼崎市で「尼崎の街から本物の政権交代を」と訴えた。

2009年8月30日03時07分  読売新聞)
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