体操・内村、高難度連発で2冠…豊田国際
豊田国際最終日(11日・愛知県豊田市総合体育館)――種目別の男子鉄棒は、世界選手権(東京)3位の内村航平(コナミ)が15・775点で初優勝し、前日のゆかと合わせて2冠。跳馬は同選手権3位の沖口誠(コナミ)が初優勝を飾り、平行棒は田中佑典(順大)が制した。
女子平均台は16歳の寺本明日香(レジックスポーツ)が優勝し、前日の段違い平行棒との2冠を達成。ゆかは美濃部ゆう(朝日生命)が制した。
連戦の疲労なし
10月の世界選手権から数えて4戦目。疲労によるけがのリスクも頭をよぎった。それでも内村は、自分の感覚を信じて今季最後の鉄棒で攻めた。連続技が途切れる場面はあったが、最高G難度技から始まる四つの手放し技を決めて初優勝。「ミスを最小限に抑えられた」と笑顔を見せた。
日体大4年だった昨季は、試合後も練習を続けて左肩を痛めた苦い経験がある。社会人1年目の今季は、夏に右足首を捻挫するアクシデントはあったものの、史上初の世界選手権個人総合3連覇を達成した。「一度体を休めて、作り直す。体との付き合い方がうまくなった」と内村は言う。
メダル量産を期待されるロンドン五輪で、取りこぼしの要因となりうるのは、けがだけだろう。「攻守の時」を心得たシーズンを振り返り、「来年のための1年だった」と、満足そうに語った。(増田剛士)
田中兄弟ワンツー
田中兄弟が男子平行棒で1、2位を分け合った。演技構成の難度点は6・4点で互角だったが、弟の佑典が出来栄え点で0・025点上回って15・450点を挙げ、2009年世界選手権銅メダルの兄和仁(徳洲会ク)の連覇を阻んだ。今年の世界選手権は、共にミスが出て不本意な結果に終わった。夢の五輪に向け、弟は「悔しかったけど、いい経験」、兄は「オフに演技の安定性を高めたい」と語った。
(2011年12月12日 読売新聞)
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