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キレイを磨く

「オフィスみかん」始めませんか?

みかんを食べてリフレッシュ

シニア野菜ソムリエの武田由季さん

 「職場で小腹がすいた時や、頭をすっきりリフレッシュしたい時に、お菓子の代わりにみかんを食べましょうよ」――。

 そんなプロジェクトがいま、静かに進行中であること、ご存じでしたか?

 気ぜわしくてストレスの多い日々の中でも、毎日200グラムの果物を無理なく取り入れていきましょう、それには手軽なみかんを上手に使ってみてはいかが、という取り組み。この「オフィスみかん」運動を提唱しているのが、大人の食育活動を実践するキャトルセゾン代表で、シニア野菜ソムリエの武田由季さんです。

 みかんは、いわずと知れた国産果物の代表格。あまり嫌いな人って、いないのではないでしょうか。果物を探している時に、一番には買わないかもしれないけれど、あれば間違いなく食べてしまいませんか? 「コタツでみかん」の風景に象徴される、どこか懐かしくて、ほっこりした気分になれて、邪魔にならない存在。飽きない味も魅力的だし、形にも愛嬌(あいきょう)がある。そして、むいた皮はお風呂に入れても楽しめるし、消毒用エタノールと混ぜれば立派な汚れ落としとしても活用できる優れものなのです。


上・「オフィスみかん」運動、静かに進行中、下・愛らしいオフィスみかんちゃんは、元気の出るオレンジ色

 「オフィスみかん」運動では、デスクワークの人はもちろん、販売や工場現場などの職場では、休憩室にまとめて置いておくのもお勧めといいます。もちろん、家事の合間にも気軽に取り入れられそうです。

 オフィスで、カゴ盛りにしてデスクの真ん中に飾り、好きな時に食べるのもいいですね。会議の時に1個ずつ配布して、議事が滞った時に一息つくのに活用する「会議みかん」を実践した会社もあるそうです。また、一人ひとりが黙々と仕事をしているIT系企業の中には、みかんを食べることで、同僚や上司と会話が弾むようになったという話も。

 みかんを食べるメリットについて、武田さんは六つのポイントを挙げてくれました。

リフレッシュしたい時にみかんを食べれば、職場もなごやかな雰囲気に

 [1]ビタミンC(3個食べれば、成人1日の摂取推進量をクリア)をはじめ、健やかな毎日に必要な栄養素が含まれている[2]豊富な水分がのどの渇きを潤し、いらいらを落ち着かせる[3]お菓子よりもカロリーが低めなので、体重コントロールがしやすい[4]手でむくだけで手軽に食べられてゴミ処理にも負担がない[5]皮をむいた時に広がる香りがリフレッシュタイムにぴったり[6]オレンジ色が元気を与えてくれる、などです。

 「みかんのひげ」とも呼ばれる筋の部分は維管束といって、栄養素を運ぶ、いわば血管のようなもの。

 「食物繊維や機能性成分がたっぷり含まれているので、筋や薄皮の部分もぜひ食べてください」と、武田さんのアドバイスです。

 セルライト改善効果や中性脂肪の分解作用など、アンチ!エイジング世代にはうれしい効果が期待できるヘスペリジン(ビタミンP)が、筋や薄皮には果肉部分よりも多く含まれているともいわれています。

みかんの皮アートに挑戦

後藤さんの名刺の裏にはみかんの皮アートの説明が
左・私もどうにかうさぎモチーフができました、右・お隣りの方は、同じ時間で馬のモチーフまで完成。お上手です
農協広報誌の新年号表紙を飾った後藤さんの力作、辰のモチーフ

 さて、今回取り上げたのは、関東のみかん産地として知られる静岡県西部に位置する三ヶ日のみかん。ちょうど取材した2月初めは、「青島みかん」の最盛期でした。

 みかん生産者で、三ヶ日農業協同組合の代表理事専務を務める後藤善一さんの話を聞く機会がありました。

 栽培の始まりは、280年ほど前の江戸中期、三ヶ日出身の男が西国巡礼の際、和歌山県那智地方から紀州みかんの苗木を持って帰って植えたのがきっかけだそうです。技術改良を重ね、今では、糖度12度という甘さを誇る品種「青島」の生産量では、全国でトップを占めています。

 アイデアマンの後藤さんは、ユニークなマーケティングも実践。サントリーとのコラボレーションで、三ヶ日みかんジュースを使ったハイボールを全国1300店舗で展開し、「ご当地ハイボール」として大きな反響を得ました。

 後藤さんの名刺の裏には、みかんの皮でアートするうさぎモチーフがプリントされていました。

 主人公のむきおくんが操るみかんの皮アートで話題になった工作絵本「あたらしいみかんのむきかた」(小学館)。同農協では、みかん消費の新しい切り口として注目、昨年から地域の小学児童全員にうさぎのむき方のリーフレットを配布したり、若手農家が皮むきワークショップを企画開催したりしているそうです。

 「ひと手間の皮むきが楽しみに変わる。みかんを食べる新しいライフスタイルを紹介できたと思っています」と、後藤さん。

 後藤さん自身も、皮アートに次々と挑戦、今年の干支(えと)(たつ)を作り、農協広報誌の新年号の表紙を飾っています。

 進化を続けるみかんの世界。後藤さんからさらにこんな話も聞きました。

 かつて列車の旅で駅の売店で買うのがお決まりだったものといえば、冷凍みかん。それが、電磁場を使った超急速冷凍技術CASの発達で、細胞の破壊を防ぎ、格段に味がよくなっているというのです。みかんの旬といえば秋から冬にかけてですが、取れたての鮮度が守られ、一年中おししいみかんが食べられるようになったのです。

 そういえば、最近()たドキュメンタリー映画「世界一予約の取れないレストラン エル・ブリの秘密」の中で、オーナーシェフのフェラン・アドリア氏が、日本の冷凍みかんのおいしさにしごく感動し、青オリーブと組み合わせたスープ仕立ての「みかんと青オリーブのアイスビネグレット」という一品を創作していたのが印象的でした。

 さあ、あなたも「オフィスみかん」、始めてみませんか?

プロフィール


永峰好美(ながみね・よしみ)1979年読売新聞社入社。編集局生活情報部、解説部などで取材 にあたり、2005年5月より東京・銀座の百貨店、プランタン銀座取締役、2011年5月同常務取締役。記者時代はメイクも落とさずベッドに直行することが多く、お肌もボディもぼろぼろに。今は、貪欲に様々なビューティー情報にアンテナを張り巡らせています。「新おとな総研」では、銀座に関する話題をつづった「GINZA通信」を連載中。

2012年2月24日  読売新聞)

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